Xデザイン学校 第2回 ビジネスインタビュー編

Xデザイン学校 第2回 ビジネスインタビュー

 

会場に到着すると、ポストイットに「職業」「得意なこと」「名前」を記入。性別、会社や職種など、属性の重複が少ない人が集まっているところに自分のポストイットを貼る。

これが今後半年間ワークをしていくグループらしい。

 

1回目の概論から、2回目はいよいよワークショップスタート。

協力企業は販売用カタログのデザイン制作を行うB2Bの会社。ビジネスインタビューは企業の現状を把握するために行う。

 

ワークの流れ

①協力企業の会社説明プレゼンを聞く

②先生のインタビュー

③わからない事や疑問を個別に質問

④個人ワークBMCの作成(時間を区切って)

顧客セグメント→価値提案→チャネルと順番に、聞き取った情報をポストイットに書き出していく。

⑤チーム内で共有

⑥不足分を補ってBMCを清書

⑦BMC全体をみて企業の強み弱みを考察

⑨発表

 

ビジネスモデルキャンバス(BMC)

ユーザーを調査する前に、企業のことを知ることが大事。企業のビジョンの先に、調査対象となるユーザーがいる。企業を知る方法論としてBMCが開発されたらしい。

 

 インタビュー

企業説明の後、先生のインタビューが自然に始まる。企業説明からインタビューへの流れがあまりにもスムーズで、さらりと情報が引き出されていくのは、やはり経験値なのだろうか。対話に継ぎ目がないというか。情報を自然に引き出す、話し方や空気作りも重要な気がした。

 

斬新な切り口

各チーム発表の時、浅野先生から「もっと斬新な切り口は無いのか」というコメントがあった。

同じ対象を見ても、捉え方次第でBMCの結果は変化してくるという事か。

確かに、企業における収益の比率など、データや事実をベースとした捉え方には大きな違いは発生しないように感じる。しかし収益の柱となる事業に加え、企業の成り立ちや企業風土、小さいけれど特徴的な部分など、企業の個性とも呼べる要素にフォーカスして、BMCの要素に追加していくことも出来る。

ここの捉え方が、将来の提案に独自性をもたらす可能性があるのかもと感じた。

 

世の中の企業をBMCのフォーマットに沿って見ていけば、企業の比較もしやすくなる。この見方を習慣化していけば、世の中のビジネスが分類された形で見えてきそうだ。ビジネスを軸にした対話では、最初の段階で相手のことを理解しやすくなるのだろう。

Xデザイン学校 第1回 概論編

この秋からXデザイン学校のビギナークラスに入学した。

田町の会場に着くと、周囲はほとんどがタブレットかノートPCを持参。

自分は紙のノートとペン。環境や集まっている人の違いを実感した。

 

初回は概論編。UXデザインに関して、これから身につけていくことのアウトラインを2時間通しで講義。これまで自分の中になかった概念が洪水のように流れてきた。

 

特に印象に残った項目を3つ。
  1. 構造化して理解すること
  2. スキルの構造
  3. デザイン3.0の時代
■ 物事を構造化して理解すること

UIデザインの基本として、「手順」と「構造」という考え方があるそうだ。

「手順」というのは、どこかに向かう時に、「駅を出て右に曲がり、交差点を直進して、3つ目の交差点を左に曲がると目的地」と言うように、工程を覚えて行く方法。

一方の「構造」というのは「A通りとB通りの交差点から北に300メートル」というように、物事を概念化して理解する方法。

新しいことを学ぶ時、学ぶことの構造を知ることは重要で、自分自身が今どこにいて、どこに向かっているのかを把握する手がかりになる。

手順で覚えていくと、途中で間違った時には目的地にたどり着けなくなるが、構造を理解しておけば、間違った際にも修正しながら目的地に着くことができる。

物事の「構造」を知ることは、地図とコンパスを手に入れるようなものだと感じた。

 

■スキルの構造

Xデザイン学校でこれから身につけようとするスキルについて、スキルを構造化して説明を受けた。ピラミッドを三段に分割した時、一番上にテクニカルスキル(それぞれの業界で必要とされる専門知識や技術)、二段目にポータブルスキル(業界を問わず、仕事を進めていく上で必要とされる持ち出し可能な能力)、一番下の段に生き方やスタンス(仕事に対する基本的な姿勢や態度)。稲葉裕美氏の「人材要件概念図」から。

私たちはXデザイン学校でポータブルスキルを学ぶ、ということだった。

恥ずかしながら、これまで自分は技術や知識について、全てをごちゃ混ぜに捉えていた。こうやって概念の枠組みを与えてもらうことで、混沌としていた物事がきれいに整理される。おそるベし構造化。物事を構造化して理解する、というのはこういうことかと。概論と実践を両輪で進めていくことは重要だ。

構造化が地図、コンパスなら、実践は脚力ですね。目的地に向かうためには、両方ないとたどり着けない。

 

■デザイン3.0の時代

デザイン1.0 グラフィックやプロダクトなどデザイナーの領域が明確だった時代

デザイン2.0 デザイナーにHCD・UXやエスノグラフィックリサーチが求められ始めた時代

デザイン3.0 科学技術、ビジネス、アートがデザインの領域で融合し始める時代。

デザインは総力戦となり、「意味」が価値を持つ時代となる。

「香港理工大学のクン・ピョウ・リー教授の説」

自分は、デザイン1.0時代のデザイナーや製品に憧れて、この世界を目指した。

大学時代、「もの」のデザインだけではなく、「こと」のデザインを学んだ。

当時は深澤さんが米国IDEOから帰国し、人の潜在的な意識に目を向けたデザインを提唱し始めていた。

そして今。タクラムやチームラボの活躍を見るにつけ、まさにデザイン3.0の時代なんだと。デザイン総力戦の時代に、自分はどのような立場で貢献できるのか。

 

自分の生き方やスタンスを見つめ直すこと。

身につけてきたことを捨てること。

そして、時代に合わせて学び直すこと。

進みながら、見つけていくのだ。

 

浅野先生からの課題図書としてお勧めがあったので、備忘の為ここに記載。

山口周著「ニュータイプの時代」と藤井保文著・尾原和啓著「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」を課題図書としてリコメンド。

山口周氏の「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」は既読だった。ダニエルピンクの「ハイコンセプト」を現代的にしたような印象だった。日本人著者だからか、時代のせいか、とても共感できた。「ニュータイプの時代」も本屋で立ち読みしていたが、価値観や美意識にフォーカスした内容だったと思う。改めてキンドル版を購入したので、読み直し。

「アフターデジタル」未読なので、ぜひ読みます。