Xデザイン学校 第1回 概論編

この秋からXデザイン学校のビギナークラスに入学した。

田町の会場に着くと、周囲はほとんどがタブレットかノートPCを持参。

自分は紙のノートとペン。環境や集まっている人の違いを実感した。

 

初回は概論編。UXデザインに関して、これから身につけていくことのアウトラインを2時間通しで講義。これまで自分の中になかった概念が洪水のように流れてきた。

 

特に印象に残った項目を3つ。
  1. 構造化して理解すること
  2. スキルの構造
  3. デザイン3.0の時代
■ 物事を構造化して理解すること

UIデザインの基本として、「手順」と「構造」という考え方があるそうだ。

「手順」というのは、どこかに向かう時に、「駅を出て右に曲がり、交差点を直進して、3つ目の交差点を左に曲がると目的地」と言うように、工程を覚えて行く方法。

一方の「構造」というのは「A通りとB通りの交差点から北に300メートル」というように、物事を概念化して理解する方法。

新しいことを学ぶ時、学ぶことの構造を知ることは重要で、自分自身が今どこにいて、どこに向かっているのかを把握する手がかりになる。

手順で覚えていくと、途中で間違った時には目的地にたどり着けなくなるが、構造を理解しておけば、間違った際にも修正しながら目的地に着くことができる。

物事の「構造」を知ることは、地図とコンパスを手に入れるようなものだと感じた。

 

■スキルの構造

Xデザイン学校でこれから身につけようとするスキルについて、スキルを構造化して説明を受けた。ピラミッドを三段に分割した時、一番上にテクニカルスキル(それぞれの業界で必要とされる専門知識や技術)、二段目にポータブルスキル(業界を問わず、仕事を進めていく上で必要とされる持ち出し可能な能力)、一番下の段に生き方やスタンス(仕事に対する基本的な姿勢や態度)。稲葉裕美氏の「人材要件概念図」から。

私たちはXデザイン学校でポータブルスキルを学ぶ、ということだった。

恥ずかしながら、これまで自分は技術や知識について、全てをごちゃ混ぜに捉えていた。こうやって概念の枠組みを与えてもらうことで、混沌としていた物事がきれいに整理される。おそるベし構造化。物事を構造化して理解する、というのはこういうことかと。概論と実践を両輪で進めていくことは重要だ。

構造化が地図、コンパスなら、実践は脚力ですね。目的地に向かうためには、両方ないとたどり着けない。

 

■デザイン3.0の時代

デザイン1.0 グラフィックやプロダクトなどデザイナーの領域が明確だった時代

デザイン2.0 デザイナーにHCD・UXやエスノグラフィックリサーチが求められ始めた時代

デザイン3.0 科学技術、ビジネス、アートがデザインの領域で融合し始める時代。

デザインは総力戦となり、「意味」が価値を持つ時代となる。

「香港理工大学のクン・ピョウ・リー教授の説」

自分は、デザイン1.0時代のデザイナーや製品に憧れて、この世界を目指した。

大学時代、「もの」のデザインだけではなく、「こと」のデザインを学んだ。

当時は深澤さんが米国IDEOから帰国し、人の潜在的な意識に目を向けたデザインを提唱し始めていた。

そして今。タクラムやチームラボの活躍を見るにつけ、まさにデザイン3.0の時代なんだと。デザイン総力戦の時代に、自分はどのような立場で貢献できるのか。

 

自分の生き方やスタンスを見つめ直すこと。

身につけてきたことを捨てること。

そして、時代に合わせて学び直すこと。

進みながら、見つけていくのだ。

 

浅野先生からの課題図書としてお勧めがあったので、備忘の為ここに記載。

山口周著「ニュータイプの時代」と藤井保文著・尾原和啓著「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」を課題図書としてリコメンド。

山口周氏の「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」は既読だった。ダニエルピンクの「ハイコンセプト」を現代的にしたような印象だった。日本人著者だからか、時代のせいか、とても共感できた。「ニュータイプの時代」も本屋で立ち読みしていたが、価値観や美意識にフォーカスした内容だったと思う。改めてキンドル版を購入したので、読み直し。

「アフターデジタル」未読なので、ぜひ読みます。