Xデザイン学校  第3回 ビジネスインタビュー編

第2回は協力企業から事業説明を受け、インタビューを行いながらBMCを作成した。

第3回は前回作成したBMCを元に、3年後のビジネスモデルを考える。

 

BMCとCVCA

チームで3年後のビジネスモデルを考え、BMCとCVCA(Customer value Chain Analysis)を描く。CVCAはBMCで描ききれない、ビジネス関係者のつながりを描くもので、お金や情報、モノの流れ、ステークホルダーを相関関係として理解できる。優れたビジネスモデルはCVCAもシンプルで美しいという。

 

ケーススタディ企業が抱える課題

今回のワークでの大きなテーマは、ケーススタディ企業の脱下請け体質。クライアントが安定した大企業であっても、その企業が業績不振に陥らないとは限らない。一社への依存度が高いと、ともに倒れるリスクも高まる。

 

インタビューでの発言に対する解釈

前回は協力企業から事業説明や、強み弱み、などをインタビューした。その中で多くの情報を得たが、発言をそのまま受け取るのではなく、その一歩先を考えることが大切だ、と先生。

その先生の言葉からヘンリー・フォードの名言を思い出した。「ユーザーに欲しいものは何か?と質問したら、人々は『もっと速い馬が欲しい』と答えただろう」と。顧客やユーザーは、自分が本当に欲しいものを知らない、ということ。ユーザーから発せられる言葉は、現状の改善策であり、「馬」から「自動車」へという非連続なイノベーションを、ユーザーは想像できていない。その先にある欲求、つまり「より速く、自由に移動したい」と言う気持ちを汲み取ることが大切。

今回、各チームの発表に対して、厳しい言葉で講評していたが、総じて「想像力が足りない」という事のようだ。インタビューでの発言に対しては、想像力を働かせ、自分たちで解釈を加える必要がある。

 

グループディスカッションのプロセス

チーム内でのディスカッションは、最初はまとまりのない雑談のような形で大部分の時間が過ぎていった。

しかし、あるチームメイトから構造化された意見が出されると、その枠組みをベースに議論が進展。収益の柱となる仕事は維持しつつ、クライアント企業への深い理解を生かして、デジタルカタログや提案活動といった新領域を拡大していくのはどうか、というものだった。一方で、それでは一社依存の状況をより強めることになり、それでもいいのか、という意見も上がった。そこで同社が詳しい、業界全体にターゲットを広げることにした。それは複数企業の製品を比較し、厳しい評価を交えて、お勧めの製品を紹介すると言うもの。提案では、現状→3年後→5年後、と言うように変化のロードマップを描き、なりたい姿を計画的に示した。すぐには無理でも、段階を経ていくことで現実味を帯びたように見えた。

 

グループワークと個人の役割

グループ全体での提案は、ディスカッションでの多様な視点や議論、発表者の適度なサジ加減のおかげで、最終的にまとまっていった。しかし、自分個人で進めた場合は、同様の答えは導き出せなかったと思う。今回はディスカッションの中で、他者の発言をできるだけポストイットに書きとめようとした。それが提案の結果に直接繋がっていたかと考えると、疑問だったけど。今回は、最初に構造的に提案を示したチームメンバーがキーパーソンだったと思う。その切り口によって、ディスカッションがただの雑談から建設的な議論に変化していったから。

自分個人の理解度でいうと、先生の言う「斬新な切り口」について、自分は恥ずかしながら「奇抜な提案」のことと勘違いしていた。

デザインが総力戦となっていくのならば、個人ワークよりもグループワークが主となる。グループワークの中で、自分の役割をどう見出すか。ワークを通じて、自分自身の強み弱みを把握することも必要だな、と振り返りながら思った。

 

ビジネスモデルの提案をするときの心構え

ケーススタディ企業の専務に対して、ビジネスモデルのプレゼンする時に「こうすれば儲けを確保できて、ゲームチェンジもできますよ」と自信を持って提案すること。ビジネスの視点をしっかり持つことが大切。

企業へビジネスモデルを提案する時、その企業のビジネスのスケール感や状況、働く従業員、投資コスト、様々なことを考えて提案しなくてはいけない。その上で、これまで抱えていた問題を打破する提案ができるか。すなわち、ゲームチェンジができるのか?

蛇足になるが、ビジネスモデルの提案によって、これまで働いてきた従業員の仕事はどうするのか?従業員の配置転換をするとき、会社の都合を一方的に押し付けていいのか?様々な要件の整合性を取りながら、全体が整理された形で、提案しなくてはいけない。そこには、企業に対する想像力が必要なのだ。

講評での厳しい言葉。数々の企業のコンサルタントを行なってきた先生にとっては、当たり前の感覚なのだと思った。

 

リフレクションとは

「次はどうすれば成功するのか、を考えるのがリフレクション。」

FBの他の生徒さんに対するコメントで書かれていた。

自分自身が何かアウトプットする時に、次回の成功に結びつける。ワークを行うことで、色々な気づきや残念なポイントなどあるが、とにかく今後のアウトプットの品質向上につなげることが大切だ。